
10日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反発し、3連休前の前営業日比751円86銭(2.43%)高の3万1746円53銭で終えた。上げ幅は今年最大だった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの長期化観測が和らいだことなどを受けた9日の米株高を背景に、東京市場でも運用リスクをとる動きが優勢だった。日本時間10日の取引で米長期金利が低下したことも日本株の支えとなり、このところの金利上昇局面で売られていた銘柄に短期志向の投資家による買い戻しが入った。
FRBのジェファーソン副議長や米ダラス連銀のローガン総裁が9日、相次ぎ追加利上げに慎重な見方を示した。これを受け、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における金利据え置き観測が高まったとして、米長期金利が低下した。足元の株安要因になっていた米金利上昇に歯止めがかかったことで、短期目線の投資家が断続的に株価指数先物に買いを入れ、株価上昇に拍車がかかった。
とくに直近で下げが目立っていた自動車や資源関連といったバリュー(割安)株が買われ、相場全体をけん引した。割安銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)バリュー指数の上昇率は2.55%で、割高銘柄で構成するTOPIXグロース指数(1.64%)よりも大きかった。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘で、中東情勢を巡る地政学リスクが高まっている。情勢が一段と悪化した場合にはリスク回避の動きから株安要因になるとの見方は多い。ただイスラエルは主要産油国ではないことなどから「現時点では世界経済への影響は限定的」(国内証券ストラテジスト)との声もあり、日本株相場全体を下押しする材料にはならなかった。
市場ではきょうの大幅高について「あくまで海外ヘッジファンドといった短期筋によるショートカバー(売り方の買い戻し)が主体とみられ、地政学リスクなど懸念材料が浮上する中では中長期志向の投資家がまとまった買いを入れていたとは考えにくい」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)との声が聞かれた。
TOPIXは3日続伸し、48.11ポイント(2.12%)高の2312.19で終えた。JPXプライム150指数は反発し、19.77ポイント(2.00%)高の1009.48だった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4982億円。売買高は14億8469万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1599と、全体の9割弱を占めた。値下がりは197、変わらずは41銘柄だった。
ファストリや東エレク、ソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株が高い。アドテスト、信越化も買われた。中東情勢の緊迫化を受けた原油高でINPEXや石油資源など資源関連株の上げが目立ったほか、伊藤忠や三井物など商社株も上昇した。一方、安川電が安い。JALやANAHDなど空運株も売られた。