スペードの女王          ♠♠♠♠♠♠

コロナ暴落で自暴自棄になり滅茶苦茶な信用取引をしてきました。それを戒めるため、他人の目に触れるブログで記録を付けることとしました。時間をやり繰りして、毎日地味に、時として大胆なトレードをしていきたいです。よろしくお願いします。

雑記 ギャンブラー乱読派

八月の光』読了。センシティブなネタを次々とぶっこんで、こういうのマスコミ取り上げてみんな読むんでしょ、という35歳フォークナーのドヤ顔が横切る。「~なんです」、「~ですね」というチープな雑誌又はネット記事のような口調の登場人物が若干名。寝ながら読むに適さない文庫本の厚さで2分冊を希望。カッターで割ればいいのだけど、こいつは新品で買ったからね。しかし、夜な夜な腕と首が疲れながらも読了の確信しかなかった。この男臭さで蒸れる小説は、後世に読み継がれる訳だ。登場人物若干名の「~なんです」の口調にムカつくのは、ある意味、翻訳者の術中に嵌っている。

自分にとっての『八月の光』は、額縁のない油絵の風景画だ。夏雲の下、集落と一本道が走っている。暗色の下地にベットリと塗られた地上物は、八月の15時の太陽を浴びて黄色かかっている。陰影は青と茶の混色。空に居座る夏雲の絵の具の厚さと言ったら! そして、風景のなかに立ち入ってみる。一本道を太陽に照りつけられながら、ゆっくりと歩く。集落に入っても人の姿はない。多分、昼の盛りは日を避けて屋内で休んでいるのだろう。止まった空気の中、肥料の臭いが漂う。どうしようかと、佇む。その時、一本道を熱い微風が吹き抜ける。勿論、それは彼女だ。

次は『ロビンソン・クルーソー』に手に付けている。選抜理由は読了したら書こう。読み止しになるとカッコ悪いから。