スペードの女王          ♠♠♠♠♠♠

コロナ暴落で自暴自棄になり滅茶苦茶な信用取引をしてきました。それを戒めるため、他人の目に触れるブログで記録を付けることとしました。時間をやり繰りして、毎日地味に、時として大胆なトレードをしていきたいです。よろしくお願いします。

雑記 ギャンブラー乱読派

『風車小屋だより』は、二項対立的な技巧が嫌味でなく良かった。枕元に置いて、毎晩一篇づつ読んだ。残りの人生であと3回は読むだろう。そして、長塚節の『土』に入っている。時々は日本小説も読みたいと魂が叫んでいるから。節はたかしと読むようだ。31歳の作品。35歳歿で早逝した作家。序文で夏目漱石が読みにくいとずけずけと書いているが、その割に読みやすい。『土』は『マークスの山』等で名の売れてた髙村薫の後期にインスピレーションを与えているようなので、10年来、興味を持っていた。髙村薫の作風は、『マークスの山』以降変っていくが、折々の自分の年齢と合っていたのか、味わって読んだ。サラリーマン時代に唯一読んだ小説かもしれない。社会人になって世間で揉まれると、小説に関心なくなるのはどういうことだったのだろうか。仕事の役に立たないからだろうか。当時の自分に聞いてみたい。

そして、『土』の中途のコーヒーブレイクでコンラッドの『闇の奥』をついばむ。こいつは学生時代に2回読んで、面白くないと結論を出たもの。でも、盛夏の今、読みたくなった。本の厚さは薄くて短編小説と言っていいぐらい。『土』から海外小説に無事帰還あそばせられるように、ワンポイントリリーフだ。年を喰ったのか、導入から不穏さが徐々に増してくるのがワクワクする。